ホイリゲとは、ドイツ語で"heurigen Wein"で、今年のワイン(this year's wine)という意味です。その名のとおり、新酒を意味することもありますが、ブドウ畑の近くにあるワイン酒場を指すことが多いです。ホイリゲでは、その名のとおりホイリゲ(新酒)を楽しめる他、オーストリアの秋の風物詩であるシュトルムやオーストリアワインとオーストリア料理を楽しむことができます。この記事では、Heiligenstadt(ハイリゲンシュタット)にあるRudolfshof(ルドルフスホーフ)というホイリゲに行った際の様子をお伝えします。
1. ホイリゲの概要
ホイリゲとは、オーストリア伝統のワイン居酒屋で、その年に収穫された新しいワインと自家製の軽食を楽しむ伝統的な場所です。ウィーンでは、Heiligenstadt(ハイリゲンシュタット)やGrinzinger(グリンツィング)などの郊外に多くあります。
ホイリゲの歴史は、1784年にヨーゼフ2世が発令した、特別な許可を申請することなく、自家製食品やワインを販売することを許可するという趣旨の勅令から始まったとされることが多いですが、ウィーン市のHPには、現在でも続いている新酒を出す宿屋の外側にモミの枝を飾る風習は、1459年の市条例にすでに記載がある、とされているところ、ホイリゲの元となるような文化は、1459年くらいには存在していたのかもしれません。
https://www.geschichtewiki.wien.gv.at/Heuriger
2019年には、オーストリアのユネスコ無形文化遺産に登録されました。
2. ルドルフスホーフについて
今回訪れたのは、ハイリゲンシュタットにあるルドルフスホーフというホイリゲです。心理学者かつ精神科医であるフロイトも常連だったと言われているお店です。黄色の可愛い建物が特徴的です。
1. 場所とアクセス
住所は、Cobenzlgasse 8, 1190 Wienです。ウィーンの中心からは少し離れており、どの経路を使っても乗換えが必要になりますが、だいたい40〜50分程度で行くことができると思います。主要な行き方は、
- U4(地下鉄)のHeiligenstadtからバス38Aに10分ほど乗る
- 地下鉄、トラムなどの駅があるSchottentorからトラム38に22分乗る
かなと思います。お店のGoogleマップのリンクをこちらに掲載しておきます。
2. 予約方法
お店のHPは、ドイツ語、英語、フランス語をはじめ様々な言語に対応していますが、残念ながら日本語はありません。HPの予約のページを見ると、1番初めに電話番号が記載されているので、今回は電話で予約しましたが、下までスクロールすると、メールアドレスとHPからメッセージを送れるフォームがありましたので、それらでも予約が可能なのかもしれません。
電話
電話の最初に「英語でいいですか」とドイツ語で聞いたところ、英語での予約に応じていただけました。電話では、希望の日にち、時間、名前を聞かれました。19時半で予約しようとしたところ、理由はわかりませんが19時はどう?と聞かれたので、19時にしました。
メール
予約ページの下の方に以下のメールアドレスが記載されています。今回はメールは使用していないのでわかりませんが、メールからの予約も可能だと思われます。
メールアドレス: [email protected]
フォーム
予約のページに以下のようなフォームもありますので、こちらからも予約が可能かもしれません。
3. 実際に行ってみた様子
1. お店の雰囲気
こちらがお店の入り口です。赤い看板の下をくぐって中に入ります。
入ってみると、想像よりも奥行きがあります。ヨーロピアンな雰囲気で、ちょっとしたテーマパークのようです。
こちらがレストランの建物です。
建物の中は、レトロな感じです。私たちが訪れた時は、お客さんが4~5組いました。
2. 飲み物
画質が悪く恐縮ですが、こちらが新酒のメニューです。赤、白、スプリッツァー(ワインを炭酸水で割ったもの)があります。値段は、新酒ワインが4.4ユーロと比較的リーズナブルです。
最初は、白のホイリゲを頼みました。ワイングラスではなく、ジョッキで飲むのも特徴の1つです。
こちらは、Strum(シュトルム)。発酵途中なので濁っています。ワインよりも甘くて飲みやすくて、個人的にはおすすめです。Strumについては、こちらで記事にしています。
3. 食べ物
食べ物は、最初にソーセージと豚肉を焼いたもの?を注文しました。
豚肉は、見た目よりジューシーで柔らかくて美味しかったです。
お腹が空いていたこともあり、少し物足りなかったので、チーズのフライを追加しました。
4. 音楽
多くのホイリゲ酒場では、音楽の演奏が行われています。ここルドルフスホーフでも生演奏が行われていました(一番右の方は歌い手です)。
4. 注意事項:支払いは現金のみ
HPにも記載がありますが、支払いは現金のみでカード等は使用できませんので(2024年9月時点)、現金を持っていきましょう。
お酒4杯、食べ物3つで、60ユーロくらいだった気がします。
5. 最後に
ハイリゲンシュタットは、ウィーンの中心部から若干距離がありますが、ウィーンのワイン文化を感じられるホイリゲは行く価値ありです。ウィーンを訪れた際はぜひホイリゲにも足を運んでみてください。