ウィーン国際空港とウィーン市内の移動方法には様々なものがありますが、その中の1つがVienna Airport Lines (VAL)というバスです。基本は、電車での移動が便利かつ安く済むのでおすすめですが、深夜や早朝の移動であれば、こちらのバスが便利なことがあるかもしれません。VALを利用すれば、ウィーン西駅(Westbahnhof)やウィーン中央駅(Wien Hauptbahnhof)、シュヴェーデンプラッツ(Schwedenplatz)などから、空港まで片道€10.5(往復は€17)で行くことができます。
わたしは、4:45ウィーン中央駅発、5:10ウィーン国際空港着のバスをネット予約で利用し、無事に空港まで行くことができました。この記事では、VALの路線や発着場所などについてお伝えします。
1. バスを利用することにした経緯
ヨーロッパ旅行の際の強い味方が、アイルランドの航空会社Ryanair(ライアンエアー)です。主にヨーロッパの都市に、破格の値段で行くことができます。他社の半額以下であることが多いのでよく利用していますが、デメリットは早朝のフライトが多いことです。今回は、ダブリン行きのフライトを利用しましたが、ウィーン空港の出発時間は7:05。出発2時間前に空港に到着することを目指すとすると、5時ごろに空港に到着しなければならないことになります。
ウィーン中央駅からウィーン国際空港までは、乗換えなしで15分で到着するRailJetが便利ですが、RailJetの始発は5:42ウィーン中央駅発5:57ウィーン空港着で、5時前後に空港に着きたい場合には使えません。S-Bahnは、4:30頃から動いているようですが、5時ごろに空港に着く電車は、乗換えの時間が4分しかなく、万一電車が遅れて乗換えに間に合わなかった場合には、次の電車まで1時間待たなければならず、リスクが大きいと判断したので、ウィーン中央駅から出ているVAL1を利用することにしました。
2. 路線図
まず、VALの運行経路についてお伝えします。VAL1、VAL2、VAL3の3つの路線があり、VAL1はウィーン西駅、VAL2はシュヴェーデンプラッツ、VAL3は、ドナウツェントゥルム(Donauzentrum)が始点となっています。各路線の停留所は以下のようになっています。地図上にStephansplatzとありますが、あのあたりがウィーンの中心部になります。
各路線の停留所(参照:Routes & timetables, Vienna Airport Lines)
わたしが利用したVAL1は、ウィーン西駅を出発後、ウィーン中央駅を経由して、空港に向かいます。
3. 時刻表
バスの運行時間は路線によって異なりますが、だいたい以下のようになっています。
VAL1: 30分間隔で24時間運行(0:30のバス以降は、1:30と2:30のみで1時間に1本です。3:00のバス以降は、30分間隔に戻ります。)
VAL2: 30分間隔で、3:30 ~ 23:30の運行
VAL3: 1時間間隔で、4:58 ~ 19:58の運行
時刻表は、こちらのページから確認できます。
4. 料金
路線や乗車駅にかかわらず、VALの料金は、片道10.5ユーロ、往復の場合は17.5ユーロです。ウィーン中央駅から空港まで、電車だと4.8ユーロで行けることを考えると、少し割高です。
6歳以下の子供は、大人1名につき子供1名までは無料で乗車することができ、6~14歳の子供は、片道6ユーロ、往復10ユーロになります。また、ウィーンシティカード(Vienna City Card)を持っている方は、片道9.5ユーロ、往復16.5ユーロの割引料金で利用することができます。
5. チケットの買い方
公式サイトによると、以下の4つの方法で購入することができます。
- オンライン
- ウィーン空港もしくはウィーン西駅にある券売機
- 運転手から直接
- 旅行代理店などの提携パートナー
オンラインでのチケット購入方法は、こちらの記事に詳しく記載しています。
Vienna Airport Lines (VAL) のチケットをオンラインで購入する方法
ウィーン市内からウィーン国際空港へ行く交通手段はたくさんありますが、深夜の電車の本数の少ない時間帯に....
わたしが乗車した時は、多くの人がオンラインでチケットを購入して、運転手にチケットをスマートフォンで見せているようでした(オンラインで購入したチケットを印刷する必要はありません)。
6. バス停の場所(ウィーン中央駅とウィーン国際空港)
ウィーン中央駅(出発)
VALのウィーン中央駅のバス停は、駅の南側にあります。こちらが朝4時半ごろのバス停付近の様子です。街灯があって明るく、ホームレスや酔っ払いなどもいませんでした。
下の画像の中で、赤色で囲んである看板がバス停の目印です。具体的な位置で言うと、駅の中に入っているStröckeというベーカリーやSPARというスーパーマーケットの正面あたりになります。バス停付近にタクシーもたくさんいるので、万一バスが大幅に遅れた場合でも安心だなと感じました。
バスは、出発予定時刻の2分前にこちらのバス停に到着しました。
バス側面の行き先の表示は、英語とドイツ語が順番に出ていました。
ウィーン国際空港(到着)
バスは、ウィーン国際空港のターミナル1とターミナル3の間あたり(厳密に言うと、ターミナル3の端のあたり)に停車します。バス停のすぐ前にターミナル3への入り口があり、そこを進むと、ターミナル3のスターバックスの前に出ます。ターミナル1までは5分ほど歩きますが、ターミナル1の方向を示す看板があるので、迷うことはないと思います。
参照: Vienna Airport, Vienna Airport Lines
7. バスについて
リムジンバスのような全員着席のバスを想像していましたが、ウィーン市中の路線バスのような車体で、立って乗車することも可能です。ホームページの写真では、シートは革張りで、スーツケース等を置くためのラックや席に読書灯があるとのことでしたが、わたしが乗ったバスは、シートは布張りで、荷物ラックや読書灯はありませんでした。便によるのかもしれません。車内の前方及び中央にバスの現在地が表示されるディスプレイがあり、空港まであとどれくらいなのかを確認することができるのは便利でした。
- ホームページに掲載されているバスの写真
参照:About Vienna Airport Lines, Vienna Airport Lines
- 筆者が乗ったバスの写真
降車間際に撮影したのであまり人が写っていませんが、ウィーン中央駅からウィーン空港までは満席で、立っている人もいました。オーストリア航空のCAさんも乗っていました。
8. まとめ
わたしが乗車した際は、特に遅れることもなく、定刻通りにスムーズに空港まで行くことができました。これからもちょうどいい電車がない時は、利用しようと思います。