ウィーンで暮らすことが決まったら、早めに家を探すのがおすすめです。というのも、住所がないと、電話番号付きのSIMが契約できない、オーストリアの健康保険に入れないなど、様々な不便が生じます。最初の数ヶ月はホテルやAirbnbに滞在することもできますが、割高ですし、上記のような不便も生じるため、早めに家を探すことを推奨します。
私たちは、実際に現地の治安などを見て住む場所を決めたかったので、渡航後2週間はAirbnbで予約したマンションに滞在することにしました。そして、その2週間の間に、家を探して引っ越すことにしました。
ウィーンで家を探す方法は、現地の不動産会社に行く、日本人コミュニティで探すなどの方法もありますが、私たちは、ドイツ語が堪能でなかったこと、日本人コミュニティに掲載されている物件は、ルームシェアが多く、希望に沿う物件がなかったことから、オンラインで家を探すことにしました。
英語で物件を探せるサイト
英語でウィーン市内の賃貸物件を探せるサイトには、以下のものがあります(アルファベット順で記載)。それぞれの会社の概要と使用してみての所感を簡単に記載します。
IMMOTOTAL
- ウィーンに本社を置く国際的な不動産会社。
- 高品質で高級な不動産(アパート、コンドミニアム、ペントハウス、一戸建て、別荘、土地)や商業用不動産の販売とレンタルを専門とする。
- ウィーンとその近郊、ニーダーエスターライヒ州、ブルゲンラント州が主力地域。
使用してみての所感
高級を謳っているだけあって、部屋数が多め(2〜5部屋)の物件が多いです。また、タイミングによるのかもしれませんが、12区、13区、16区などの郊外の物件が多い印象を受けました。
BLUEGROUND
- ニューヨークに本社を持つグローバルプロテック(property:不動産+technology:技術の造語)企業。
- 米国の都市を始め、世界31都市に数千のアパートメントを展開(ヨーロッパでは、ロンドン、パリ、ベルリン、ウィーン等)。
- デザインチームが部屋をデザインすることで、おしゃれな物件を提供。
使用してみての所感
駅近でおしゃれな物件が多いです。問い合わせへのレスポンスも、英語で行うことができ、迅速で丁寧で好印象でした(木曜日の22時前にメールで問い合わせたところ、次の日の午前中には返信が来ました)。
注意点
物件自体は、魅力的なものが多かったのですが、支払い総額が高額になる可能性がある点に注意が必要です。
家賃が割高な感じがしましたが、立地や内装から考えると妥当かなと感じていました。しかし、実際に借りるとなると、月額の家賃とは別に、Fees & taxes(※)が必要であり、そのFees & taxesが物件にもよりますが、800〜1200ユーロと高額です。
実際に部屋を借りられる方は、月額の家賃だけでなく、Fees & taxesもよく確認するのがよいと思います。
※ わたしたちが確認した物件では、restocking fee(再入荷手数料。タオルやキッチン用品などの備品にかかる費用)やContact and Handling Fee(連絡及び取扱い手数料)などが含まれていました。
補足
BLUEGROUNDでは、家賃の価格が変動します。公式HPによると、航空券やレンタカー等と同様に、ダイナミックプライシングモデルを採用しており、季節、空室状況、期間などの特定の要素に基づいて最適な価格を決定するアルゴリズムソフトウェアによって家賃が決定されているとのことです。実際に、私たちが契約を検討していた部屋は、入居開始可能日に近づくと、家賃が100ユーロ程度下がっていました。
HousingAnywhere
- ロッテルダムに本社を置く、学生やインターン向けの宿泊施設を専門とする国際的なオンライン宿泊施設プラットフォーム。
- 掲載物件の内見はできないが、部屋が説明と一致しない場合、借主に初月分の家賃を返金することを約束。
- ヨーロッパの120の都市でサービスを展開。
使用してみての所感
掲載物件も多く、条件ごとの検索もしやすいです。また、上記2つのサイトと比べると、比較的幅広い価格帯の物件を取り扱っていることも魅力と感じました。気になる物件について、物件のサイト上で、担当者とやりとりすることができ、対応も迅速かつ丁寧でした。
私たちは、HousingAnywhereで条件に合う物件を見つけたことから、こちらで契約することにしました。
HousingAnywhereでの契約方法については、こちらをご参照ください。
HousingAnywhereでの賃貸契約
HousingAnywhereを利用した賃貸契約手続きについて簡単に紹介します。賃貸契約手続きや初月....
参考情報(ドイツ語で物件を探せるサイト:Willhaben)
最終的に、英語のサイトに絞って物件を探すことにしましたが、最初のうちはドイツ語のサイトでも物件を探していました。その際によく見ていたサイトが、Willhabenです。
Willhabenは、オーストリアの企業で、不動産だけでなく、自動車、求人その他あらゆる種類の商品やサービスのマーケットプレイスを提供しています。
不動産については、HousingAnywhereと同様、幅広い価格帯の物件があり、問い合わせをしたかったのですが、問い合わせをするためには、アカウント登録が必要でした。そのアカウント登録時に、2段階認証が必要であり、携帯の電話番号が必須です。電話番号は、国番号から入力する仕様になっており、50強の国番号から選べますが、日本の国番号(+81)は含まれていません(直接入力も不可)。したがって、特定の国番号の電話番号が必要となりますので、日本から来たばかりで、ウィーンの電話番号をお持ちでないという方は、お気をつけください。
総評
ドイツ語圏のウィーンにおいて、英語で物件を探せることは、非ドイツ語話者にとってはとてもありがたいです。しかし、これらのサイトが紹介している物件は、基本的に短期滞在者をターゲットにしたものなので、家具家電付きが多く、便利な反面、普通の賃貸の物件と比べると、付属している家具家電を加味しても割高であることもあるので、 Willhabenなどで周辺の物件の相場を確認して、値段と設備を比較するのが良いと思います。体感としては、同条件の相場よりも1.2倍ぐらいの賃料になっている印象です。
わたしたちは、Housinganyshereで契約した家具家電付きの物件に10ヶ月ほど住み、その後、Willhabenで見つけた家具家電のついていない部屋に引っ越しました。次回、Willhabenでアパートを契約する方法を紹介します。