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オーストリアの秋の楽しみ!シュトルム(Strum)

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落ちこぼれ蒙古斑

公開: 2024/10/15

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実は、ワインの生産量で世界トップ20に入るオーストリア。そんなオーストリアの秋には、ワイン生産国ならではの楽しみがあります。それはStrum(シュトルム)と呼ばれる発酵途中のワインになる前の飲み物です。ドイツでは、Federweißer(白ワインになる途中の飲み物)やFederroter(赤ワインになる前の飲み物)と呼ばれています。ドイツ、オーストリア以外では、あまり例を見ないシュトルムについて、その魅力をお届けします。

1. シュトルムとは

シュトルムは、オーストリアやドイツで秋のブドウ収穫期に楽しまれる発酵途中のワインです。ワインが完全に発酵する前の状態で、まだ甘さが残っているのと、微炭酸が特徴です。シュトルムは完全にオーストリア産で、オーストリア産のブドウのみが使用され、オーストリアで製造されたもののみがシュトルムと名乗ることができると法律で決められています。また、販売期間も法律で決められていて、収穫年の8月1日から12月31日の間にのみ販売が許可されています。発酵途中の飲み物であることから長期保存はできないので、この時期だけのお楽しみとなっています。

法的には、アルコール度数が1%以上のものがシュトルムになりますが、実際には3~6%のものが多いようです。

2. シュトルムを楽しめる場所

シュトルムは、ホイリゲと呼ばれるワイン酒場で楽しめる他、スーパーでボトルで販売されているので、おうちでゆっくり味わうことができます。また、ウィーンの街中では、グラスで販売しているところもあるようです。

1. ホイリゲ

ホイリゲとは、ドイツ語で"heurigen Wein"で、今年のワイン(this year's wine)という意味です。その名のとおり、新酒を意味することもありますが、多くの場合、ブドウ畑の近くにあるワイン酒場を指し、そちらでシュトルムを楽しむことができます。ウィーンでは、ウィーン郊外のハイリゲンシュタット(Heiligenstadt)やグリンツィング(Grinzing)に多くのホイリゲがあり、シュトルムの販売期間中は、シュトルムを楽しむことができます。

シュトルムに限りませんが、ウィーンのホイリゲ文化は、ユネスコの世界文化遺産に登録されているので、ウィーンに訪れた際には、ぜひホイリゲを訪れてみてください。オーストリアのワイン文化を体験することができます。

ハイリゲンシュタットのホイリゲ(Rudolfshof / ルドルフスホーフ)でシュトルムを飲んだ際の様子は、後日お届けします。

2. 自宅(スーパーで購入可能)

シュトルムは、SPARやBILLA、HOFFERなど、ウィーン市内にある主要スーパーマーケットで購入することができます。お値段は、だいたい1リットルで5ユーロ弱くらいです。こちらは、近所のHofferで販売されているシュトルムです。ペットボトルで販売されていました。

こちらは、BILLAで購入したシュトルムです。1瓶4.99ユーロでした。

ホイリゲで飲むよりも、お安く気軽に楽しめていいのですが、1つ注意点があります。持ち運ぶ時に、傾けたり、横にしたりしないよう気をつけてください。シュトルムは、瓶もしくはペットボトルで販売されていますが、容器に詰められた後も発酵が進む過程でガスが発生することから、爆発を防ぐため、栓が完全に閉まっていません。そのため、持ち運びには注意してください。

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わたしは瓶をうっかり横にしてしまい、エコバッグがシュトルムまみれになりました。

3. ウィーンの街中

シュテファンプラッツ付近には、たくさんのレストランがありますが、その中で、外でシュトルムを販売しているお店を見かけました。わたしが見かけたところは、グラス1杯(0.25ml)で、4.5ユーロでした。

4. プラーター公園

10月中旬にオクトーバーフェストに参加すべく、プラーター公園を訪れたところ、園内のレストランでシュトルムが提供されていました。また、オクトーバーフェストの会場内でも、ビールに混じってシュトルムも提供されていました。プラーター公園のオクトーバーフェストの様子は、別の記事で紹介予定です。

3. シュトルムの味

肝心のお味は、濃厚で甘いブドウジュースという感じです。個人的には、あまりアルコールは感じませんでした。微炭酸なので、生マッコリや微発泡にごり酒などがお好きな方にお勧めです。

わたしは、スーパーで買ったものでも、外のお店で飲んだものでも、赤の方がブドウ感が強いように感じて好きでしたが、周りでは白の方が美味しいと言っている人が多かった気がします。

4. 最後に

シュトルムは、ドイツとオーストリア以外ではなかなかお目にかかれないものなので、この時期にオーストリアを訪れる際には、ぜひとも味わってみることをお勧めします。

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